絵本読み聞かせのヒント
2011年4月9日

今回は、オーストラリアで読み聞かせ育児に奮闘されている保護者の方からのご質 問にお答えしたいと思います。

1:真四角、長四角、と子供向けのことばを教えた方がいいのか、正方形、長方形 など、英語の語彙感覚で教えた方がいいのか、ちょっと悩んでいます。
どちらで教えなければいけないというきまりはないですが、やはり年齢相応の言葉で教えるのがいいのではないかと思います。英語ですと、この場合「四角」も「正方形」も“square”なのでそのまま教えますが、日本語には平易な言い方と難しい言い方があるので迷ってしまいますね。ただ、絵本など子供向けのものを見ると「四角」、「長四角」と表現しているものが殆どですから、お子さんが小さいうちは平易な言い方の方が返って混乱しないのではないでしょうか。

2:絵本を読むときに、私の解釈で、言葉を追加したり、擬音語を加えたりしている のですが、本当はそこにある言葉のみを読み、解釈を子供に任せた方がいいのでしょうか。
絵本の言葉や文章、擬音語などは、作者が自分の意図を込めて書かれているので、そのまま読んだ方がいいと思います。それぞれの絵本がもつ言葉の流れやリズムを楽しむのも絵本の魅力の一つでもあると思うのです。ただ、子どもと絵本の世界や時間を共有し楽しむという意味で、言葉を追加したり、擬音語を加えたりすることは必ずしも悪いことではないでしょう。お子さんも絵本を読んでもらいながら、自分なりの解釈をすることもあります。その時には、お子さんの解釈にも耳を傾け、「どうしてそう思うの?」「それからどうなるのかな?」などと話を膨らませてあげるといいと思います。

3:読み聞かせ中、こどもが本に興味を示さなくなった場合、中断しても構わないのか、それともできるだけ最後まで読み続けたほうがいいのでしょうか。
先ずは、何が原因で興味を示さなくなったのか考えてみましょう。絵本の中身に興味がないのか、お腹がすいていたりトイレにいきたいなど身体的な原因があるのか、読み方が単調だったり読む速度が早すぎたりしてはいないか、周囲に本より興味のあるものはないか、、、などです。原因が分かれば対処法も明らかですね。絵本の中身に興味がないのであれば、最後まで読む必要はないと思います。絵本の内容が難しすぎるのかもしれません。その場合、少し大きくなってから再び読んであげると興味を示すようになることもあります。興味がないときには無理せず「またこの次読もうか。」と提案してみてはいかがでしょう。絵本の時間が充実したものになるよう、お子さんも保護者の方もゆったりとした気持ちで絵本を楽しんで下さい。